シマとの対話

──沖縄の過去と未来について考えるとき、僕はシマと対話する。シマとは、僕にとって老賢者のような存在──  南島詩人・演出家として活躍する平田大一。県内外を縦横無尽に走り抜け、骨太な活動を続ける日々の中で、思索の森を歩き、刻む、真実の言葉たち。  平田大一がつむぐコトノハと、KUWAこと桑村ヒロシの写真がつむぐ、「新・シマとの対話」。2015年4月15日より新連載スタート!(毎月1日と15日に更新予定)

2016年01月03日

新・シマとの対話~第18話「新年の詩」



孔子の論語に曰く。

「近者説、遠者来(近き者よろこび、遠き者来たる)」

文字通り、身近な者達に明るい話題集まれば、
遠くからの来訪者も後をたたない、という事。

今年は本当に、そう言う一年になりそうだ。
文化、芸能、交流を通じ、沖縄から明るい話題を発信し、
僕自身、世界と積極的につながって行くことを目指したい!

10月に開催する「第6回世界のウチナーンチュ大会」も
そんな意義ある取り組みになりそうだ。

前回、2011年の第5回大会の際は、
事業を統括する沖縄県の文化観光スポーツ部長だった。
当時の知事・副知事と、北米・南米6ヶ国をキャラバンで巡り
加えてアジアの友人達とも交流を広げることが出来たが、
大きな役職過ぎて大会の現場で暴れることは
出来ずに地団駄をたくさん踏んだ!

その反動とは言わないが、
今回は思いっきり挑戦してみたいのだ。

さて、本年、第6回大会開催と関連して僕は、
3つの大きなイベントを計画している。

1つは組踊をモチーフとして、
伝統と次世代継承をテーマに揺るぎなきクラッシックと、
躍動するコンテンポラリーの舞台演目を同時上演する
「組踊と現代版組踊の世界」。

2つ目は世界エイサー大会の発展形で、
世界中のエイサー関係者が一堂に会して、
それぞれ等身大の演舞を一日中披露し合い交流する
「Eisa EXPO 2016~エイサー博覧会」。
予定では世界のウチナーンチュ大会
グランドフィナーレにおいて
一斉演舞をメインスタジアムにて華々しく展開、
2020年の東京オリンピック・パラリンピックへの
足掛りを発信していきたいと考えている。

そして3つ目は「World UTAKAI~ワールド唄会」である。
開催は、キックオフイベントと位置付けられ、
本大会より一週早い時期の開催を計画中、
宜野湾市のコンベンションセンター展示棟を会場に、
世界中の民謡愛好家が集う夢の唄会の開催である。

いや!民謡愛好家だけではなく、
くるちの杜の取組や、三線奏者、三線製作職人など、
関係するみんなで力を合わせてどでかい手づくりイベントを
作り上げていくのが目的だ。

そう、メガトン級のイベントを手づくり感覚で制作する、
そこにこそ、この世界のウチナーンチュ大会の
開催の意義もあるんじゃないだろうか!

単なるイベントやフェスではない。
自らのアイデンティティーや遺伝子に目覚め、
ルーツを質ねる島人の集まりであり
旅人の集まりでもある。

昨年のハワイ公演も、
一昨年の南島詩人一人舞台かでな公演も、
ここにつながる文脈の一つ、伏線の一つだった。

いよいよ!
世界と沖縄がつながる潮流のうねりを引き寄せて
新たな挑みの年明けを、共に祝いたい。

課題山積なこの島だけど、だから「文化と芸術」の力が
島の未来を拓くと、僕は心から思うんだ。

前略 南ぬシマジマ

「悲観はすまい、されど楽観もすまい。
…我一条の光とならん!」
(屋良朝苗)

世の中の状況、環境の変化に一喜一憂することなく、
「沖縄文化ぐすーじ元年(沖縄文化お祝い元年)」と決めた
自身が目指す沖縄県復帰50年「2022年」の節目に向けて、
今年を走り抜くことを、
ここに今、誓う!

 (南島詩人/平田大一)

写真・桑村ヒロシ

YouTubeでは、平田大一さんの肉声で放送中!

毎月1日15日に隔週で連載していきます!
 どうぞお楽しみに!!

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Posted by 平田大一(Hirata Daiichi) at 19:33