2010年01月15日
シマとの対話〜第Ⅱ章その13『聖なる難儀』

松の飾りをおろす間も無い1月上旬。
シマはすっぽり
黒砂糖の香りに包まれる。
ああ…1年の始まりと同時に
今年の挑戦がまた! 始まるんだな。
1995年から始まった「小浜島キビ刈り援農塾」
2000年から始まった「小浜島ふるさと農場倶楽部」
2007年から始まった「うふだき荘島人体験プロジェクト」
そして今年2010年。
復活するんだ! キビ畑。
装いも新たに名称も変えて
「小浜島キビ刈り友の会」として復活するんだ。
久しぶりのシマの桟橋は
北風冷たい夕暮れ時。
その北風に乗って届く…
黒砂糖の甘くて濃い「香り」。
島じゃあベンツの軽トラを運転し
実家の「民宿うふだき荘」に到着するや
早速3つの理念を大きく書いて壁に貼る。
「小浜島キビ刈り友の会2010/3つの理念」
1)初日で手の皮をむいて、3日で肩の皮をむいて、
1週間で心の皮をむこう
2)キビ刈り!嗚呼、この「聖なる難儀」を満喫しよう
3)大人の感動体験の場を目指していこう
かつて僕が事務局長を務め5年続いた「援農塾」と
更に僕が島を出た後7年続いた「農場倶楽部」と
親父亡きあとリフォームされた民宿で行われた
島の暮らしを体験する「島人体験プロジェクト」が加わって
新たなチーム「小浜島キビ刈り友の会」が発足した。
全くの口コミで全国から集った勇敢な旅人は
1ヶ月にわたるこの赫土との格闘の日々の果てに
いったい何を感じるのだろう。
そしてこの僕も!
「南島詩人」という名前についたこの贅肉を
削ぎ落とすことが出来るのだろうか…。
真新しい「手袋」に「雨合羽」、そして「雨靴」に
自分の名前を刻む手に力が入る。
「聖なる難儀」を一人確認する
大切なセレモニー。
遠くから…
闘いの始まりを告げるゴングの音が
確かに響いた。
南島詩人/平田大一
Posted by 平田大一(Hirata Daiichi) at
09:19
2009年12月18日
シマとの対話〜第Ⅱ章その12『ゆく年くる年』

「今年が勝負の年になりそうだ…」
いつもそう思って始まる一年。
やがて終わるであろう年の瀬を目の前に
気がつけばまた更に
大きな山の前に立っている。
来年2010年は、『世界遺産登録10年』の節目。
そして、再来年2011年は、沖縄県5年に一度の大舞台
『第5回 世界のウチナーンチュ大会』の開催!
阿麻和利のハワイ公演
韓国での日韓イベント大祝祭
そして、キング尚巴志北米公演
ワールドワイドな活動を展開してきた
一つの終着点がそこにあるのだ。
以前、自身のブログのコメントに
僕はこう書いた。
2006年10月15日の掲載文だ。
新たな想い…
世界のウチナーンチュ大会の
次の課題を考えている。
30数万人を越える「世界のウチナーンチュ」。
今回、辿り着いた奇跡の5000人を遥かに越えた約29万5000人に
応える術は本当に無いかと言う事を
…つくづく、考えてしまうのだ。
1929(昭和4)年、県歳入額の66.4%も相当する財源が
移民したウチナーンチュからの送金であったと言う事実を!
太平洋戦争で壊滅的な被害を受けた沖縄の復興に
衣料や食糧、そして山羊、豚、などを命懸けで運んできて貢献してくれた事実を!
知らない僕たち今のウチナーンチュが係わるこのイベントの意味の深さを
どれだけ考えればいいのか…。
嗚呼!
僕たちは本当に!
知らないことが多すぎる
知らなくてもいいことばかりを知りすぎる…
だから、考えた。
誰かではなく
知ってしまった自分から出来ることを考えてみたんだ。
簡単に出る答えでは無いことを承知の上で浮かんできた一つの想い。
『世界のウチナーンチュ大会出前イベント公演』
次回行われるであろう5年後に向けて
沖縄若手芸能一座で全ての国や地域に暮らす
世界のウチナーンチュを訪ねてみてみたい!ってのは、どうだろう。
少なくてもこの“沖縄”は、
“沖縄”に今現在暮らしている人たちだけのモノでは無いってことだ。
裏っかえせば、今抱えている“問題”も、
今暮らしている人たちだけが抱え込まなくても良いってことだ。
成程!
それが解っただけでも、僕らがすべきことに新たな課題が見えてきた。
力が湧いてきた。
うん。
明日の閉会式は荘厳に、したたかに、
世界で通用する芸能かを吟味してみる良い機会だ。
新たな想いで紡ぐ“ちむぐくる”を次世代に継承させていくのは
他でもない、この僕達なのだから。
第4回世界のウチナーンチュ大会閉会式特別アトラクションプログラム
『THE Legend of THE REQUIOS〜ニライへの風』
1.出発の朝(たびだちのあした)
2.みるく世果報ぬ兆し(みるくゆがふぬしるし)
3.KIMUTAKA(きむたかの詩)
4.エイサー・ジャンベ DE! ちゃんぷるー
5.時代の嵐(追憶の棒術と獅子舞)
6.ニライヘの風
7.レキオの夢(大綱引きと旗頭の参加)
(2006年10月15日平田大一ブログ『大一がゆく』より)
『肝高の阿麻和利』のハワイ公演
韓国での『日韓イベント大祝祭』
『キング尚巴志』北米ロサンゼルス公演
あまわり舞台と取り組みが『未来遺産登録』されて
だから『Dynamic Ryukyu 〜ダイナミック琉球!』が
生まれたのである。
ワールドワイドな活動を展開してきた
一つの終着点がそこにある。
2010年!
2011年!
気持ちが走る!
「来年、再来年が、勝負の年になりそうだ…」
居酒屋でほろ酔い気分
大風呂敷に夢を広げては
ゆく年くる年想いを馳せてつぶやいたら
一緒に飲んでいた長年の付き合いの
仲間が言った。
「それ、去年も聞いた。おい!毎年、聞いてるぞ!」
(南島詩人/平田大一)
平田大一のブログ『シマとの対話』が、
書籍版として新たに生まれ変わりました!
南島詩人・平田大一とKUWA(ryuQ)の写真とが
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文:南島詩人・平田大一 / 写真:桑村ヒロシ(KUWA)
出版:ボーダーインク
発売日:7月31日(好評発売中)
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Posted by 平田大一(Hirata Daiichi) at
08:00
2009年11月18日
シマとの対話〜第Ⅱ章その11『水の如く』

ある人が
とある人を評して
こう云った。
「彼は水だ、水のような人だ。
水は、幾ら飲んでも飽きがこない。
無色透明、無味、無臭…それでいて常に
この身体に必要なものだ。
逆に、濃い味は一瞬は良いが
毎日だと嫌になってくる。
何処の国でも、どの人種でも、
水は必要であり
誰もが必ず水を欲するように
彼の存在は、今まさに求められているのだ。
この時代に、この世相に
水の如く彼のような人こそが
今、この時代に最も必要な存在なのだ。」
「水」に関して、
また、ある人いわく。
「見た目は激しく燃える情熱家。
でも取り掛かるときの姿勢は
まるで水のようで“柔軟”で“しなやか”だ。」
「水の如くの人物」になりたい。
僕は、そう思う。
すると「人物」というキーワードについて
ある人は云う。
「この社会で大切なのは
『人材』でもなければ
『人財』でもない
本当に大切なのは『人物』である」と。
すると話しを聞いていた
ある人が返す。
「その『人物』にも、3つの『識』あり」と。
1つに「知識」
2つに「見識」
3つ目に「胆識(たんしき)」也と。
1つ目の「知識とは情報から学び得た力」
2つ目の「見識とは経験から学び得た力」
3つ目の「胆識」とは、その知識や見識に裏打ちされた胆力のこと。
行動すること、動くこと、実際に行動する力
自分が信じた道を、何事にも動じずやり遂げる実行力のこと
それを「胆識」と呼ぶらしい。
出会う数の分だけ
色んなことを学ぶ日々。
水の如くの生き方に
胆力のある生き方に
本気で向き合うと見えてくる。
自分の「使命」が見えてくる…
水の如く…
水の如くの、我、自身になる。
南島詩人/平田大一
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08:45
2009年10月16日
シマとの対話〜第Ⅱ章その10『気づきのスイッチ』

5年前の講演会で
「日ごろ、どういう指導をしているのか?」
と訊ねられたことがある。
演出家として、指導者として、リーダーとして…
「どうすれば、みんながああいう風に言うことを聞くのか」と。
また別の会場では
「そういう発想はどうして生まれるのか?」
とも聞かれたことがある。
作家として、島人として、地域活性化のアドバイザーとして…
「無から有を生み出すコツとは何なのか」と。
ある方からは
「悩みがなさそうで良いですね」
と真顔で告げられたことがある。
先輩として、スぺシャリストとして、夢想家として…
「その原動力はどこから来るのか」と。
でも。
そのとき僕は、上手く答えきれなかった。
否!
今でも自問自答してしまうのだけれど、
不思議なことに「答えきれなかった“問い”」は
意外と憶えているものなんだ。
簡単そうで出てこない答えを探しては
出口を見つけることが出来ないことの繰り返し
何かの拍子にその“問い”をまた思い出しては
「なぜだっけ?」
と、自問自答することの繰り返し。
この間、つい先日。
本番直前の舞台稽古を見ていて感じた「違和感」
その「違和感」に正直になって舞台に立つ演者に
「訳は解らないけど何か胸のあたりが納得していないんだ」
「綺麗だけど、まとまっているけど、何かが足りないんだ」
とマトを得ない感想を言って子ども達を困惑させてしまい
演出家としてあるまじきコメントをしてしまった僕は
自分の才能のなさにあきれ返り
トイレに立てこもってしまった。
そうとは知らずトイレに入ってきた
男性役者たち…
「平田さん、何が言いたかったのかな?」
「わからん!」
「俺も…、わからん」
「わんも!(俺も!)」
「……。」
トイレの個室で息をひそめているのは
僕である。
彼らの口から、次にどういう言葉がとび出してくるのか
ドキドキしながら息をひそめているばかり。
すると、しばしの沈黙の後一人の演者が言った
「わからんけど…、何かが足りないだはずよ、俺達。」
「であるな…」
「考えようや、もう少し…」
そして、がやがやとトイレを出て行った。
トイレに一人残された僕は、
また静かに自問自答。
そして、やっと気がついた。
「信頼」という名の絆
絶妙にして絶対的な「コツ無き距離感」
そして「使命」という名のエネルギー
気がついて自分の立っている
自分の位置を知った。
古の賢者は「さとる」という意味を
「悟りをひらく」と訳するだけでなく
「理解する、解かるということ」としている。
つまり「さとる」ということは、
「特別な力に目覚める」という意味でなく
「自分の力を知る、自らの力に気がつく」ということなのである。
「自らの命の使い方を覚(さと)るから」
「使命とは自覚するもの、自らが解かる」ということなのだ。
…見つけるのではない
探すのでもない
「気がつく」のである。
大切なことに
物事の根っこに
自らが気づく人になる
「気づきのスイッチ」を
心に宿すということ、
それが僕の得た僕の内(なか)の
「答え」なのである。
南島詩人/平田大一
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2009年09月16日
シマとの対話〜第Ⅱ章その9『土地の力』

北米で再会した
前ハワイ沖縄県人会会長の「ジョン糸村」氏から
届けられたジンジャーの白いレイの首飾り。
北米沖縄県人会100周年を祝う大舞台
「現代版組踊絵巻/キング・尚巴志」のラストを飾る
総踊り「ダイナミック琉球!」の時に首からかけたんだ。
足を伝って響く大地の力!
湧き上がる情熱に鼓動がはやる!
確かに、火の神ペレもこの大きな志を
祝福してくださっている!
祈りは確信に
確信が歓喜に変わる頃
涙が溢れてきて仕方が無い。
大きな声で会場に吼えた!
「チバリヨー!世界のウチナーンチュー!!」
満席の会場のスタンディングオベーション!
会場中の全てのお客様が涙の入り混じった笑顔で
大きな拍手で応えてくれる。
深々とおじぎをした僕の胸元から
白いジンジャーの花の香りが
優しく僕を包んでくれた。
海を越えて集った
オリジナル尚巴志メンバー52名の仲間との
最高の思い出!
舞台で自分達を出しきれた喜びにいつまでも
心が躍った。
ハワイから参加したのは
「獅子舞い」と「フラ」の演目だった。
八重山からはアカハチメンバーによる
民俗芸能「マミドーマ」
北米エイサー隊の勇壮なる
「ミルクムナリ」と僕の舞の競演。
更に、北米琉舞メンバーによる
「鳩間節」の特別出演と
そして!北米県人会次世代グループをも交えた
「ダイナミック琉球!」
世界のあっちこっちで練習を重ねた者同士が
一つの「志」のために海を渡り北米に集まり
そして演じたこの舞台はまさに
「血」と「地」の確認だった。
体中に熱く流れる沖縄の「血脈」の「血」と
宙を睨み踏みしめて立つ「大地」の「地」の力に
生命が震えたんだ!
歓喜の拍手は幾重にも重なり
やがて大きなうねりとなって
記憶の底で生き続ける。
いつまでも、いつまでも…。
全ての旅の行程を終えて辿り着いた
「佐敷の森」の王の墓前に
舞台の成功と帰国の報告をするために
線香を手向ける。
茶色くなったジンジャーの花を
墓前にお供えすると
高い木の上から大きな声で
鳥が鳴いた。
そうだね…
そうなんだね。
僕が、今立っている大地は
僕のこの足を通じて全部、つながっているから
僕の立つところ全てが僕の『ふるさと』なんだ。
僕の足の裏でつながるこの大地が僕の『ふるさと』なんだ。
沖縄という土地の力を感じながら
海を渡る「魂の詩」を今日も奏でる。
「いちぬ いちまでぃん 変わること 無(ね)さみ
シマの肝心(ちむぐくる) シマの情(なさき)」
南島詩人/平田大一
平田大一のブログ『シマとの対話』が、
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南島詩人・平田大一とKUWA(ryuQ)の写真とが
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文:南島詩人・平田大一 / 写真:桑村ヒロシ(KUWA)
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