シマとの対話

──沖縄の過去と未来について考えるとき、僕はシマと対話する。シマとは、僕にとって老賢者のような存在──  南島詩人・演出家として活躍する平田大一。県内外を縦横無尽に走り抜け、骨太な活動を続ける日々の中で、思索の森を歩き、刻む、真実の言葉たち。  平田大一がつむぐコトノハと、KUWAこと桑村ヒロシの写真がつむぐ、「新・シマとの対話」。2015年4月15日より新連載スタート!(毎月1日と15日に更新予定)

2010年01月15日

シマとの対話〜第Ⅱ章その13『聖なる難儀』

Photo_KUWA
松の飾りをおろす間も無い1月上旬。
シマはすっぽり
黒砂糖の香りに包まれる。

ああ…1年の始まりと同時に
今年の挑戦がまた! 始まるんだな。

1995年から始まった「小浜島キビ刈り援農塾」
2000年から始まった「小浜島ふるさと農場倶楽部」
2007年から始まった「うふだき荘島人体験プロジェクト」

そして今年2010年。
復活するんだ! キビ畑。

装いも新たに名称も変えて
「小浜島キビ刈り友の会」として復活するんだ。

久しぶりのシマの桟橋は
北風冷たい夕暮れ時。
その北風に乗って届く…
黒砂糖の甘くて濃い「香り」。

島じゃあベンツの軽トラを運転し
実家の「民宿うふだき荘」に到着するや
早速3つの理念を大きく書いて壁に貼る。

「小浜島キビ刈り友の会2010/3つの理念」
1)初日で手の皮をむいて、3日で肩の皮をむいて、
  1週間で心の皮をむこう
2)キビ刈り!嗚呼、この「聖なる難儀」を満喫しよう
3)大人の感動体験の場を目指していこう

かつて僕が事務局長を務め5年続いた「援農塾」と
更に僕が島を出た後7年続いた「農場倶楽部」と
親父亡きあとリフォームされた民宿で行われた
島の暮らしを体験する「島人体験プロジェクト」が加わって
新たなチーム「小浜島キビ刈り友の会」が発足した。

全くの口コミで全国から集った勇敢な旅人は
1ヶ月にわたるこの赫土との格闘の日々の果てに
いったい何を感じるのだろう。

そしてこの僕も!
「南島詩人」という名前についたこの贅肉を
削ぎ落とすことが出来るのだろうか…。

真新しい「手袋」に「雨合羽」、そして「雨靴」に
自分の名前を刻む手に力が入る。

「聖なる難儀」を一人確認する
大切なセレモニー。

遠くから…
闘いの始まりを告げるゴングの音が
確かに響いた。

  南島詩人/平田大一


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Posted by 平田大一(Hirata Daiichi) at 09:19