シマとの対話

──沖縄の過去と未来について考えるとき、僕はシマと対話する。シマとは、僕にとって老賢者のような存在──  南島詩人・演出家として活躍する平田大一。県内外を縦横無尽に走り抜け、骨太な活動を続ける日々の中で、思索の森を歩き、刻む、真実の言葉たち。  平田大一がつむぐコトノハと、KUWAこと桑村ヒロシの写真がつむぐ、「新・シマとの対話」。2015年4月15日より新連載スタート!(毎月1日と15日に更新予定)

2009年03月16日

シマとの対話~第II章その3『原点に返れ』

シマとの対話~第II章その3『原点に返れ』
常に
前に向かって走ってきた
道だった。

他人のガチャガチャに惑わされず
自分の直感を信じて走ってきた
道だった。

人生40年走り続けてきて
今!
新たな「道標」の前に立つ。

そこには
たった一言だけ

「原点に返れ!」

と刻まれている。


「原点に返れ」という「原点」とは、
いったい!
どの時点のいつのことを指すのだろう。

僕はまた、
思考の迷路に迷い込んでしまった。


千利休曰く
「一よりはじまり十を知り
十よりかえる元のその一」

僕にとっての「一」とは
いったい
どの部分の
何のことを指すのだろう。

思考の杜の樹海の奥深く
夜明け寸前の深い闇の底
「原点」とは時間や場所をさすのでは
ないのかもしれないと思い始めていたときに
迷路の出口が突然現れた。

「コミュニケーション!という名の原点」
そうだ!僕の「原点」とは
「常にコミュニケーションをとる」という事だ。
「キビ刈り援農塾」の時もそうだった
「きむたかホール」の館長の時もそうだった
「あまわり」やそのほかの多くの舞台を作り出してきた
時もそうだった。

人が熱を発するときは
たくさんの時間を共有し
語り合い、ぶつかりあい、許しあい、励ましあい
それでも、面倒くさいくらいの遠回りを良しとし
全てが「聖なる難儀!」と断言しては
ひたすら前に向かって前進してきた。

どんなに忙しくても
否!
走り続けてきた今までだったからこそ
まだまだ走り続けて行くこれからのために
「人と会う、語る、解りあう」ことが
とても大切なんだ…。

凄くシンプルで
そしてもっとも大事なもの。

「心を通わせる作業」に
時間を厭わない!

常に「今」を大事にした通いあいが
常に「次」のチャンスを生み出してくれる。


「ネクスト・ジェネレーション」という
未来につなぐ明確な取り組みと
「ネクスト・コミュニケーション」という
根源的な手法による実践。

その「ひとり」を「一つ」を「一歩」を
大事にするからこそ
僕の道には迷いが無かったのだ。

そしてその想いは
これからも変わらない。

「原点に返れ」
僕の直感が示すその「道標(みちしるべ)」が
新たな「使命の道」へと僕を導いてくれるんだ。

         
                 南島詩人/平田大一


書籍版『シマとの対話【琉球メッセージ】』平田大一のブログ『シマとの対話』が、
書籍版として新たに生まれ変わりました!
南島詩人・平田大一とKUWA(ryuQ)の写真とが
コラボレーションした、情熱と感動の作品集です!!

書籍版『シマとの対話【琉球メッセージ】
文:南島詩人・平田大一 / 写真:桑村ヒロシ(KUWA)
出版:ボーダーインク
発売日:7月31日(好評発売中)
価格:¥1500(+税)
※通販は、てぃーだショップボーダーインクで販売中!

→ http://shop.ti-da.net/
→ http://borderink.shop-pro.jp/




Posted by 平田大一(Hirata Daiichi) at 10:40