シマとの対話

──沖縄の過去と未来について考えるとき、僕はシマと対話する。シマとは、僕にとって老賢者のような存在──  南島詩人・演出家として活躍する平田大一。県内外を縦横無尽に走り抜け、骨太な活動を続ける日々の中で、思索の森を歩き、刻む、真実の言葉たち。  平田大一がつむぐコトノハと、KUWAこと桑村ヒロシの写真がつむぐ、「新・シマとの対話」。2015年4月15日より新連載スタート!(毎月1日と15日に更新予定)

2008年10月22日

第51話『刻む』(南島詩人・平田大一)

第51話『刻む』(南島詩人・平田大一)
とある冊子に答えた僕のインタビュー記事。

N  「関東公演は全て満席で大好評に終わり
    コンベンションホールでの凱旋公演も成功。
    これだけ評価が高まり舞台の完成度も高まると
    子ども自身のプレッシャーも相当でしょうね。」

平田 「実は予想していたんです。関東公演の後に
    オファーが増えるのも予想していました。
    だからこそ、次のステップというのを
    見せていかなければいかない。
    商業的なものには走れない理由があるし、
    そうは言っても自助努力で予算が作れない
    団体はどっかに頼らなきゃならないわけだから、
    そういう弱い団体でもいけないと
    思っているわけです。

    だから、子どもが自分達で作り出せる雰囲気を
    望むのであれば、大きなステージはやめて
    空き缶で照明を作ってということくらいなことを
    してもいいし、太鼓一個の時代に帰っても
    いいわけです。そう言う危機感や自分の中での
    ケジメをつけていかないと、保身に走ると
    つまらない舞台になっちゃいますからね。」

      (『くらしと教育をつなぐ〜We』2003年10月号)


また、とある日のノートの一篇の詩

   なぜ歌っているのか?
   何を歌っているのか?
   テレビの司会者に
   頭を叩かれて 
   ニヤニヤ笑っている
   この人達は
   
   ホントは何を
   歌いたいのか?

   ムカッ腹が立つのは
   「ニヤニヤ」の向こう側に
   自分を重ねて見ているからなのか?
   
   …僕は僕の「シゴト」に
   納得していない!

     (『仕事』1999年 8月16日)

   
また、ある日のノート。

   何者でもいい。
   別に僕のこと
   ジャンルに
   とらわれなくていい。

   ボーダーレスな
   生き様でいい。

   「我が心の
    壁を越えよ!」

   そうだ。
   「ボーダレスマインド」
   これでいこう。
   
   全てを越えて
   全てを結ぶ。
   
   ボーダレスマインド。
   これを生きるんだ。

     (『使命』2001年 5月3日)


ノートを読み返し
昔の掲載記事を読み返し

あらためて
実感すること。

夢への実現は
「執念」にほかならい。

中心者が
リーダーが
代表が
どれだけ「執念」を持って
コトに当るか。

この一点こそ
大切なのではあるまいか!

そしてもう一つ
大切なこと。

ありのままの自分を
「刻んでいく」ということだ。

自分への想いを
不安を
憤りを
怒りを
悲しみを
喜びを
涙の日々を

絶対に忘れないという勢いで
日々を刻むということだ。

曰く
「一より始まり十を知り、十より還るもとのその一」
曰く
「始まりも終わりも自分で決める。
 だから、僕の歩くこの道に行き止まりは無い」

刻む。
刻む。

お世話になった全ての人を。
遠くはなれた全ての友人を。
どこかで必死に生きる君を。
今を一生懸命に生きる僕を。
刻む。

声なき声は
風に乗って
きっとどこかの誰かにも
届くだろう。

時代も
次元も超えて。

  南島詩人/平田大一




Posted by 平田大一(Hirata Daiichi) at 00:00
この記事へのコメント
『始まりも終わりも自分で決める。
だから、僕の歩くこの道に行き止まりは無い

どこかで必死に生きる君を。
今を一生懸命に生きる僕を。
刻む。』

大きな事を乗り越えた決断の言葉に感じられました。

耳を澄ませば 
風に乗って聞こえる平田大一の声が、聴こえる。

くじけそうになった時、
自分に負けそうになった時、
ここに来れば必ず平田大一に会える。
ここで平田大一に会えるから頑張れると思います。

沖縄の空を、
頑張って飛んでいるあなたに感謝します。

心から、ありがとう。
Posted by オーケー at 2008年10月22日 03:46
また、ガツンと胸に響きました。

読んでいたら、胸がいっぱいになって泣けてきました。

大一さんの作品に、大一さんに出逢えて、本当にうれしいです。

私も、私なりに「ありのままの自分」で、日々を刻んで行こうと思います。
Posted by 大浦 菜津美 at 2008年10月22日 21:12