シマとの対話

──沖縄の過去と未来について考えるとき、僕はシマと対話する。シマとは、僕にとって老賢者のような存在──  南島詩人・演出家として活躍する平田大一。県内外を縦横無尽に走り抜け、骨太な活動を続ける日々の中で、思索の森を歩き、刻む、真実の言葉たち。  平田大一がつむぐコトノハと、KUWAこと桑村ヒロシの写真がつむぐ、「新・シマとの対話」。2015年4月15日より新連載スタート!(毎月1日と15日に更新予定)

2008年08月06日

第40話『島風のジプシー』(南島詩人・平田大一)

第40話『島風のジプシー』(南島詩人・平田大一)
君の周りには
いつもみんなと違う
風が吹いている

それが君の不幸でもあり
幸せでもあるんだ

風をきり
君は歩く
黒い髪が
風に踊った

友と笑う君
だけど気がつけばいつも
君の目は遠くを見ている

まるで
彷徨っている
心の行方を見るかのように


「優しさ」と「激しさ」
両方の感情が
目まぐるしく
君の内にあって
それは時折
君を悩ませるかもしれない

でも!大丈夫
僕が自身を持って言おう

君は格好良い!
踊っている時の君もそうだけど
僕は普段ただ歩いている君のほうが
一番、格好良い!と思うんだ

島で生まれたとか
何所で生まれたのかなんて関係ない
今立つところが
常に、君のふるさとになる

きっと本当は
誰もが今に生きる
ジプシーなんだ

自分の還るべき心を
さがす旅
それが君の生き方であり
ライブなんだから
君は根っこをもたずに
でも!
咲き誇る「花」なんだ

僕は詩おう
遠い空の下で
コトノハは風の旋律にのって
旅行く君に届くだろう

君は背筋をのばして踊る
その先をキッと見つめて
遠い目に映る
風の道を見つめて


歩き続ける道のどこかで
またきっと会えるから

君よ、君は
歩みを止めてはいけない

この国の
ジプシー達に
告ぐ!

君は
君たちは
今のままで
格好良い!

島の風に吹かれる
僕も
ジプシーの如く

放浪する
己が魂を詩う



  南島詩人 平田大一




Posted by 平田大一(Hirata Daiichi) at 00:00