シマとの対話

──沖縄の過去と未来について考えるとき、僕はシマと対話する。シマとは、僕にとって老賢者のような存在──  南島詩人・演出家として活躍する平田大一。県内外を縦横無尽に走り抜け、骨太な活動を続ける日々の中で、思索の森を歩き、刻む、真実の言葉たち。  平田大一がつむぐコトノハと、KUWAこと桑村ヒロシの写真がつむぐ、「新・シマとの対話」。2015年4月15日より新連載スタート!(毎月1日と15日に更新予定)

2008年04月23日

第25話『ターフ フラッグ リリック』(南島詩人・平田大一)

第25話『ターフ フラッグ リリック』
紐がはずれた
ターフはまるで
フラッグみたい風に踊る

遠くの
歓声
永遠の
歌声

さあ背伸びしろ!
シマに若夏(ナツ)が来た
待ったなしの初夏(ナツ)が来た

時々差し込む
ドキドキ眩しい
空に雲
せわしく走るけど

吹けよシマ風
明日に飛び立つ
このシマの鳥
太陽(てぃだ)に向かって
渡るシマ風

小さな
世界
旅して
理解

そうだ
ここが僕らの
永遠の
約束の場所なんだ

胸の誇りを
象徴するよ
ターフ フラッグ風に舞う

風に脈打つ
シマの鼓動
ターフ フラッグ夢に逢う

明日の息吹を
シマの息吹を
この胸いっぱいに受け止めて
ターフ フラッグ
紡ぐ「言ノ葉」

饒舌なるかな
若夏(うりずん)の風

 
 「前略 南のシマジマ」

  「若夏」と書いて
  「うるずん」と読むらしい。
  「潤いが、染まる、染み込む」と言うのが
  語源だとか。

  キラキラ眩しい
  光の粒子を
  パッと一掴み!
  紙の上に転がして

  拾い集めた
  「風の声」
  並べてみたんだ

  日よけのターフが
  僕の城の御旗なり 

南島詩人/平田大一




Posted by 平田大一(Hirata Daiichi) at 00:00