シマとの対話

──沖縄の過去と未来について考えるとき、僕はシマと対話する。シマとは、僕にとって老賢者のような存在──  南島詩人・演出家として活躍する平田大一。県内外を縦横無尽に走り抜け、骨太な活動を続ける日々の中で、思索の森を歩き、刻む、真実の言葉たち。  平田大一がつむぐコトノハと、KUWAこと桑村ヒロシの写真がつむぐ、「新・シマとの対話」。2015年4月15日より新連載スタート!(毎月1日と15日に更新予定)

2008年04月02日

第22話『命の歌 魂の歌』(南島詩人・平田大一)

第22話『命の歌 魂の歌』(南島詩人・平田大一)
生まれたての命
囲んで歌う
「命の歌」「魂の歌」

アフリカのある部族の話しを聞いたんだ
新しい命が生まれた朝に
その子のための歌を
その子を囲み、皆が歌い祝福するんだって

嬉しい時や
成長のたびに
あるいは道に迷った時に皆でその子を囲み
歌ってあげるんだという話しを聞いて
涙があふれたんだ

そんな優しい音が
その子の生まれたまんまの音があることに
そんな優しい人間がいるこの地球(ほし)に
僕はわけもなく感謝したんだ

   きみが生まれた 朝に見つけた
   きみのメロディ 輝きの音
   それは時々 聞こえなくなる
   心が泣いて 聞こえなくなる

   さみしい時は 一緒に歌おう
   きみのメロディ 魂の歌
   うれしい時も 一緒に歌おう
   きみのメロディ 魂の歌

   ホントのきみを 僕は知ってる
   響きあうのは 輝きの音
   きみが生まれた 朝にみつけた
   響きあうのは 輝きの歌

     (マイ・ヤマネ「輝きの音」より) 

「前略 南のシマジマ」

命が生まれるだけの数
生まれてくる歌の数
感謝の想いの分の数
幸せの風が吹いている

ねえ、僕はこのシマに生まれて
本当に良かった
問題解決の糸口は
全てこの島にあるから
みんなで自分達の歌を歌って
大きく手を振って歩こう

この地球(ほし)の小さなこのシマで
僕らは自分達の歌を口ずさむ
それはきっと響きあい
このシマをつなぐ歌なんだ。

南島詩人 平田大一




Posted by 平田大一(Hirata Daiichi) at 00:00