シマとの対話

──沖縄の過去と未来について考えるとき、僕はシマと対話する。シマとは、僕にとって老賢者のような存在──  南島詩人・演出家として活躍する平田大一。県内外を縦横無尽に走り抜け、骨太な活動を続ける日々の中で、思索の森を歩き、刻む、真実の言葉たち。  平田大一がつむぐコトノハと、KUWAこと桑村ヒロシの写真がつむぐ、「新・シマとの対話」。2015年4月15日より新連載スタート!(毎月1日と15日に更新予定)

2007年11月21日

第3話『天を衝く!』(南島詩人・平田大一)

第3話『天を衝く!』(南島詩人・平田大一)
島に立つ勢い
  その先(そら)
      天を衝け

海に根付くマングローブを見ると
その生命力の力強さに感嘆する。
海水と淡水の異なる水が混ざり合うからこそ強いのか。
異なるモノ同士との鬩(せめ)ぎ合い。
新たな「命」が生まれる瞬間はこういう
厳しい環境の中であったりすると思う。
そして僕は、こういう「小さな命」の伸びようとする勢いに
最も「生命力」を感じる。

島でまだ暮らしていた頃、僕は毎日のように浜におりては
力強い「命」の息吹をよく見に行った。
「旅する種」とも呼ばれているマングローブの奇跡を
体に刻み込むかのように僕はその「命」の前で
大きく深呼吸をしていた。
そしてマングローブの見える海の向こうにはいつも、
大きな西表島の山々が見えた。

答えはいつも「島の中」にある。
全ての答えがこの島にあった。
サトウキビ畑に吹く風の中に
夜空に咲く花のような星々の輝きに
天に向かって海に立つ小さな命の勢いに
僕は自問自答の答えをいつも見つけていたんだ。

「前略 南(ぱい)ぬシマジマ
 校門無き学びの場
 僕らがいつも立つところ」
 
南島詩人 平田大一




Posted by 平田大一(Hirata Daiichi) at 00:00