2008年07月09日
第36話『空に舞う祈りの詩』(南島詩人・平田大一)

明け方、早い時間
海にきた。
走り続けた
靴を脱ぎ捨て
潮風に向かって
大きく深呼吸
無性に
海に還りたくなったんだ。
心静かに
海につかる
ぬるい海水に
頑なだった気持ちも
ほぐれていく。
水平線に浮かぶ雲は
夏のカタチ
眩しい陽ざしに
背筋もシャンと伸びる。
大きな舞台を終わらせた
かかわる時間が長いプロジェクト
山を越えた後の
自分へのご褒美なんだ。
風が優しく
吹いていく
僕の頭の上を
勢い余った燕(つばめ)が
ピーッと駆けていった。
波に揺られながら
自然と口をついて出た「歌」は
今、手懸ける舞台の「祈りの歌」。
山の向こう 鷲が舞うと云う
羽を広げ 風をつかむ
海に映る雲に 明日を占えば
己が生命の 声のままにと
尚巴志よ!鬼鷲よ
民を結ぶ 道を征け
尚巴志よ! 翔べ、尚巴志よ!
世界に鳴響む(しけにとよむ)
魂ぬ詩(ぬちぬうた)
潮風に乗った声は
時代も島も越えて
どこまでも碧い宇宙(そら)に
飛んでいった。
南島詩人 平田大一



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